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センター概要

 大阪大学は、地球規模で複雑化・高度化する社会課題に対応する社会からの負託に応えるために、大学で育まれる「知性」、「英知」を結集して「社会との共創」を活性化させ、カーボンニュートラル社会やSDGsの理念を実現し、あらゆる世代がその多様性を生かすことで社会を支え、豊かで幸福な人生をすべての人が享受できる社会、すなわち「生きがいを育む社会」を創造する場となることを目指している。

大阪大学中之島センター 南エントランス 夜景
大阪大学中之島芸術センター 3階

 中之島芸術センターは、大学院生・学部生及び社会人が芸術の実践に参画し、そのプロセスをともに体験することを指す「共創芸術」の場である。文化・芸術の集積地である中之島という立地を生かして「共創芸術」の場を創出し、大学における高度教養教育及び社会人教育のプラットフォームとして機能させる。また、アートと自然科学・社会科学の融合により新領域を開拓し、その成果は芸術を核とする高度教養教育にもフィードバックするとともに、さらに、ここで練られた教養教育のプログラムは他大学、国内外の諸機関にも展開される。

 現代社会が抱える問題、例えば「環境問題」、社会の「持続可能性」、「不寛容」な社会、高齢者問題、世代間格差といったものは、個人の内面においても、社会全体においても、想像力・リズムを失い、硬直していることに起因している。個人が「物語」を失い、社会が「芸術・芸能」を失ったことで、我々は「想像力」を欠くことになった。他者に触れて帰ってくること(「物語」の原型)、あるいは自分の外に出てゆき戻ってくること(「芸能」の原型)は、自我や世界を更新する機能を持っていた。そのような機会を失ったことで現代人は、永遠の相互監視、自己否定の中で痩せ細ってゆくしかない。
大阪大学中之島芸術センター 3階
大阪大学中之島芸術センター  テーブル

 現代の社会に想像力を取り戻すために、新たな「共創芸術の場」を作り出し、芸術を核とする高度教養教育を行い、「総合知」を生み出す。本学ではこれまで人文学研究科芸術学専攻において、専門的な芸術学の教育を行う一方、主として社会人を対象にこのような「共創芸術」の場による教育を行ってきた。今回、文化芸術の集積地である中之島に芸術センターを置き、これまで行ってきた実践を大学における高度教養教育へと組織的に展開し、社会人向けの教育についても本格的にカリキュラム化する。さらに中之島芸術センターでは、アートと自然科学の融合による新領域の研究を開拓し、その成果を再び教育へとフィードバックする。このように大学、ひいては社会の中に「共創芸術の場」を作り出し、学生や社会人の中にその体験をビルトインすることによって世界のレジリエンスを取り戻すことができる。