現代社会が抱える問題、例えば「環境問題」、社会の「持続可能性」、「不寛容」な社会、高齢者問題、世代間格差といったものは、個人の内面においても、社会全体においても、想像力・リズムを失い、硬直していることに起因している。個人が「物語」を失い、社会が「芸術・芸能」を失ったことで、我々は「想像力」を欠くことになった。他者に触れて帰ってくること(「物語」の原型)、あるいは自分の外に出てゆき戻ってくること(「芸能」の原型)は、自我や世界を更新する機能を持っていた。そのような機会を失ったことで現代人は、永遠の相互監視、自己否定の中で痩せ細ってゆくしかない。